予備校の懐かしい思い出-予備校生の過ごし方について|テレビ持ち込み禁止の予備校の寮

予備校の懐かしい思い出

予備校からは多大な恩恵を受けた。予備校について私は最初にそれを口にしたい。私の通った高校は大学付属校のため、付属の大学にあがるための生ぬるい勉強しかできない環境にあった。そのため、付属でない一般の大学に合格する実力をつけるにはどうしても予備校に頼る必要があった。中学時代、実力不足のため保険をかけるつもりで大学付属校を受験したものの、付属の大学を見学に行って以来、覇気も活気もない雰囲気にうんざりしてしまった。自分の未来をそんなところに託すのは絶対に嫌だった。大学受験の環境は、一言で言えばお祭りムードとでも呼べるものだった。

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予備校講師がアイドル的に持ち上げられ、講義の実況本が本屋に平積みされていた。その立役者たちが他でもない予備校だ。困難な受験にあえて臨むことになった私は幸いにもその祭りにあっさり乗ることができた。予備校の講師は私にとって紛れもなくまぶしいスターだった。講座のテキストには講師の経験談や持論が生き生きと語られ、ひきつけられた。講義は録音し、何度も聞いた。受験はエネルギーが必要だとは思うが、すんなりとエネルギーを出すことができたように感じる。

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その頃は一浪も当たり前な時代で、予備校の主役は浪人生だというのを肌で感じていたから少しだけ浪人にも憧れた。しかし私には後がなかった。幸い勉強の成果が出て、無事希望以上の大学に合格することができた。今でも高校の帰り、時間ぎりぎりに駅のコンコースを全力で走り、席に着いて棒状の食事をかじりながら講義を受けていたことを思い出す。お世話になった講師は衛星中継の授業だったから、直接感謝の言葉を伝えることはできなかったが、あれから10何年もたった今、あの頃のスターたちはどこでどうしているだろうかと、時々ひどく気になる。

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